“かいよう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
潰瘍60.0%
解傭12.0%
海容8.0%
回陽4.0%
懐孕4.0%
海妖4.0%
海洋4.0%
薤葉4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや大して沢山はない。斑紋はんもん癩に天疱瘡てんほうそう、断節癩に麻痺癩がある。丘疹きゅうしん癩に眼球ろう、獅子癩に潰瘍かいよう癩、だがおおかたは混合する」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
脩は七月に鉄道庁に解傭かいようを請うて入京し、芝愛宕下町あたごしたちょうに住んで、京橋西紺屋町にしこんやちょう秀英舎の漢字校正係になった。脩の次男行晴ゆきはるが生れた。この年は抽斎歿後の第三十四年である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
キヌ子にさんざんムダ使いされて、黙って海容かいようの美徳を示しているなんて、とてもそんな事の出来る性格ではなかった。何か、それ相当のお返しをいただかなければ、どうしたって、気がすまない。
グッド・バイ (新字新仮名) / 太宰治(著)
事実、幕府では回天、回陽かいようと命名せらるべき二隻の軍艦を造る準備最中の時でもあった。この二艦の名ほど当時の幕府の真相をよく語って見せているものもない。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
陝西せんせい竜泉、相伝う毎春夜牝馬を放ち、この泉水を飲ましめ自ずから能く懐孕かいようす、駒生まれて毛なく、起つ能わず、氈を以てこれをつつめば数日内に毛生ず、三歳に至らざるに、大宛馬だいえんばとほぼ同じ〉。
星は語らない。ただはるかな山すそから、干潮になった無月の潮騒しおざいが、海妖かいようの単調な誘惑の歌のように、なまめかしくなでるように聞こえて来るばかりだ。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
すべてスポーツにかんするもので、ちょうど盛夏せいかちかづいたから、山岳さんがく風景ふうけいや、溪谷けいこく海洋かいようのけしきなどが、にもしたしまれたのであります。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
この薬泉に沐浴ゆあみして、薤葉かいようの葉を噛み、芸香うんこうの根を啜り、或いは、柏子はくしの茶、松花のさいなど喰べると、重き者も血色をよび返し、軽き者は、即座に爽快となって、歓語かんご、谷に満ちた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)