“おばば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御祖母28.6%
14.3%
太后14.3%
祖母14.3%
御馬場14.3%
阿婆14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その一点になると世間の人じゃない近くは内の御祖母おばばさんがあやしんで居ましょう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
おばば、あぶない、逃げな、あぶない! ……盲人めくらが……竹の杖で……凄い腕だ! ……そいつが来るのだ! おばば
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「待ちな、おばばおいらも行く。……あの走りざま、色気がないなあ……えんの行者に呪縛じゅばくされたという、鬼子母神きしもじん様にそっくりじゃ。飛天夜叉殿、ではご免。……未練のこして行くとしようぞ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その力が、あの太后おばばの西の征路みゆきに、わざわざ初児を身ごもつてゐる大田を引きずり出したのだ。そしてこのおれを、京の留守役に釘づけにしたのだ。いや、あべこべだ。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
おれは中でも、あの大伯おおくの幼い顔を見るたびに、心が痛んでならぬ。あの子は、もちろんお主も知つてのとほり、宝ノ太后おばばが西へ征かれた途中の海路うなじで、大田が急に産気づいて生みおとした娘だ。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
「そうか、それはよくしてくれた。お前が祖父おじじ祖母おばばの側にいてくれるなら、おれも安心して冥土へ帰ることができる」
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
……祖父おじじ祖母おばば、お久しゅうございました。お息災でなによりです。
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そのは急に雪になりましたゆえ、わたくしはかさをかざしながら、御馬場おばばの下を通りかかりました。ちょうどまたとももつれず、雨着あまぎもつけずに参ったのでございまする。
三右衛門の罪 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
阿婆おばば、これを知ってるか。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)