“いほう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
移封33.3%
医方11.1%
彙報11.1%
異邦11.1%
衣袍11.1%
遺封11.1%
遺法11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秀秋は裏切り者として名高くなったが、その功によって徳川家からは疎略にあつかわれず、筑前から更に中国に移封いほうして、備前びぜん美作みまさか五十万石の太守たいしゅとなった。
馬妖記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
のみならず次第に衰弱する。その上この頃は不如意ふにょいのため、思うように療治りょうじをさせることも出来ない。聞けば南蛮寺なんばんじの神父の医方いほう白癩びゃくらいさえ直すと云うことである。
おしの (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私は、数年前、高圧放電の火花に関する実験をしているうちに、次のような生理的光学現象に気づきそれについてほんの少しばかり研究をした結果を理化学研究所彙報いほうに報告したことがある。
人魂の一つの場合 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
呂宋兵衛は、まえにもいったとおり、南蛮なんばん混血児あいのこでキリシタンの妖法ようほうしゅうする者であるから、層雲そううんくずれの祈祷きとうも、じぶんが信じる異邦いほうの式でゆくつもりらしい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ついに堪えかねて、声を立てて泣き出して、自分の豪傑性を否認してしまって、三河守も何もあらばこそ、衣袍いほう取繕ういとまも無く、半天の落葉ただ風に飛ぶが如く国府をあとにして都へ出てしまった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
甲山峡水きょうすいの守りは固いけれど、遺封いほうをついで、それに甘んじているべくは、余りに彼の胆略と武勇は、父以上に備わりすぎている。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だからかれは、家康の遺法いほうや幕府の組織なども、永久にこうなくてはならないものとは、その高い国体的見地から、考えていないひとなのである。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)