移封いほう)” の例文
秀吉の大坂移居によって、去年その大坂から大垣へ移封いほうされた池田勝入斎信輝いけだしょうにゅうさいのぶてると、ひとりは蒲生がもう忠三郎氏郷うじさとであった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀秋は裏切り者として名高くなったが、その功によって徳川家からは疎略にあつかわれず、筑前から更に中国に移封いほうして、備前びぜん美作みまさか五十万石の太守たいしゅとなった。
馬妖記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
また信長自身の胸にも、ふたたび昔日せきじつの寵遇はわが主人にないばかりか、明智家の領地までを、他の僻地へきち移封いほうさせるお心がないとも断じきれないものがある。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)