)” の例文
それから又喰べるものは、皆おいしいで、「鶉のかみ」といふお役が出来て、籠の掃除やら、餌の世話など一切をいたします。
孝行鶉の話 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
翌日の朝の辰刻いつゝ(八時)少し前、薄赤い陽が射し込んで、明神樣の森からをあさりに來る、小鳥の聲などが賑やかに聽えて居ります。
さいはひにして一人ひとりではひきれぬほど房々ふさ/\つてるのでそのうれひもなく、熟過つえすぎがぼて/\と地にちてありとなり
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
あるにまかせて古き箱にいれ、もいれおきしに、二三日すぎていつにげゆきしやあたりをたづねしかどをらざりしとぞ。
そして彼等の楽しい日課のひとつとして、晴れた日の午後には子供の手をひいて、小犬をつれて、そこらの田圃たんぼみぞをとりに行くことになつてゐた。
哀しき父 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
あるがなかにも薄色綸子うすいろりんず被布ひふすがたを小波さヾなみいけにうつして、緋鯉ひごひをやる弟君おとヽぎみともに、餘念よねんもなくをむしりて、自然しぜんみにむつましきさヽやきの浦山うらやましさ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
船側せんそくに青竹を縛り付け手釣りの上下あげさげに滑りよき便りとする。は綺麗な小海老の尻尾を去つて鈎なりに刺す。鬼のやうな顔のホゲ(東京でおこぜ)が釣れた。
坊つちやん「遺蹟めぐり」 (新字旧仮名) / 岡本一平(著)
また人工じんこうたくみなるも、造化ざうくわにはくべからず、自然しぜん佳味かみひとつくらじ、されば、鳥籠とりかごつくし、こゝろつくしてふとも、いかで鳥類てうるゐこゝろかなふべき。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鱷だつてもこれから先を遣るには及ぶまい。詰まり鱷の方では僕を呑んでゐて満足してゐるし、僕の方では又鱷の体からあらゆる滋養を取つてゐるわけだね。
根本は餌取ゑとりと云ふべきか。餌と云ふはしゝむらを云ふなるべし。其れを取る物を云ふなり。ヱトリを早く云ひて、云ひゆがめてヱタと云へり。ヱトリを略せるなり。
俺の方では一度取損とりそくなつたは二度と顧盻ふりむかんもんだ。イヤハヤ犬にだもかずといふべしだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
教師達の出て行つた後からは、毛色の悪い一群ひとむれの雞がをあさりながら校庭へ入つて行つて。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
次の日、ふと道助は昨日腹立ちまぎれに物置の中へはふり込んでそのまゝになつてゐる小鳥のことを思ひ出した。もう昼近くのことでをやる時刻はとつくに過ぎてゐたのだ。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
礼儀正しい公爵夫人は、金糸雀かなりやのやうな口もとをして、二言三言記者の問ひに答へてゐた。無論金糸雀同志の事だ、精々の粟粒か卵の事でも話し合つてゐるらしかつた。
エミリアンは眠りがたりなくて、ぼんやりしながら、日向ひなたの野原に出て、考へこんでゐました。野原の中には、金持の家の鵞鳥どもがむれをなして、をあさつて遊んでゐました。
エミリアンの旅 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
あなた方、此処ここに三羽のひよこがあるとしまして、二羽のひよこは今人からを貰つて食べて居ます。一羽のひよこはそれを見てます。さうするとその一羽のひよこはどんなことを
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
する者あれどおんみの絶技に比ぶべくもなしと褒めるに氣を得てやをんどりを見付てめんどりを呼ぶ聲怖しき物を見て叫ぶ聲などいろ/\の曲を盡す二人は興に入りいろ/\話かければ彼も鼻を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
にはかにも飢ゑてものほしげなるに、彼此をちこち六六𩛰あさり得ずして狂ひゆくほどに、たちまち文四が釣を垂るるにあふ。其のはなはだかんばし。心又六七がみいましめを守りて思ふ。我はほとけの御弟子なり。
從姉妹いとこたちも、まだ母親の處に呼ばれてゐなかつた。イライザは、帽子をかぶり、温かい庭着ガーデン・コートを着て、彼女の家禽かきんの處に行つてをやらうとしてゐた。その仕事を彼女は氣に入つてゐた。
牛飼達は自分が弁当をべる前に、牛のを与へるのがしきたりだけれども、その仕事をするのも、奇妙なことに、子供なのであつた。牛飼の男は立つてゐて、あれこれと世話をやいた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
約束通り貴殿きでんに渡し今日は寛々ゆる/\小夜衣にあうて行んと來りしに仁術じんじゆつ家業かげふの身を以て現在げんざいめひの小夜衣をも知ぬ抔とは何故なりや然すれば我を店者たなものと最初よりして見侮みあなどの小夜衣をばとなし我を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
むかしよりいまにわた黒船くろふねえんがつくればふかとなる。サンタマリヤ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みづんだところでは、はりさき雷鳥らいちよう羽毛うもうかそれがなければ、にはとり羽毛うもうでもくゝりつけておろすとれます。にごつてるところではづりをするのですが、竿ざをなが丈夫じようぶなものがいゝようです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
さきつ年アフリカゆ來し鰐怒りを食はずして死ににけりとぞ
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
「いゝんです。豆腐屋でせう。山羊のを持つて来たんだ。」
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
と棄つべきを憂ひつゝ、心ならずも去り行けり。
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
感情の糸にゆたゆたとする夢のをつける五月
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
二丈の鰐が人間をにする。
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
をあさらむと野に行けば
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その騷ぎも知らぬ顏に、平次はうぐひすの籠を見たり、の鉢を鑑定したり、最後に嫁のお弓をつかまへて、暢氣のんきらしい話をして居りました。
ですから巣から余り遠くないところで、小さな虫を捕つたり、あはの穂を拾つたりして、少しづゝをあつめてをりました。
孝行鶉の話 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
あるにまかせて古き箱にいれ、もいれおきしに、二三日すぎていつにげゆきしやあたりをたづねしかどをらざりしとぞ。
たれにか棄てられけむ、一頭いつとう流浪るらうの犬の、予が入塾の初より、数々しば/\庭前ていぜん入来いりきたり、そこはかと𩛰あさるあり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
蓮池の蓮を見たり、鯉につたりしますことも、何時いつも程落ついては出来ません。気が急いで大和川やまとがはを渡る時も、川上の景色、川口の水の色を眺めたりすることも出来ません。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
時鳥ほとヽぎす時分じぶんをさがしてかへるなどをみちくさにさし、れをはせておわびをするとか、れは本當ほんたう本當ほんたうはなしにて和歌うたにさへめば、姉樣ねえさまきてもわかることヽ吾助ごすけひたり
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かんばしきにくらまされて、つりの糸にかかり身をうしなふ事なかれといひて、去りて見えずなりぬ。不思議のあまりにおのが身をかへり見れば、いつのまにうろこ金光きんくわうを備へてひとつの鯉魚りぎよしぬ。
尤も猿公えてこうのなかでも、少し薄鈍うすのろなのは、を食べると直ぐげ出すので滅多につかまへられる事はないが、智慧自慢の小慧こざかしいのに限つて、猟師の真似をして、戸棚に入るといきなりを閉めてしまふので
されど多くの我軍は犬と鳥とのとならむ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
ゑしベリガンのけうときさけび
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
をあさらんと野に行けば
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ありを運ぶやうに、庭木戸まで持出し、外に居る仲間の者に渡した。それから離屋の雨戸を閉めて、外へ出た。——
さて翌日から、又前のとほり母の鶉は近いところを、子の鶉は遠いところを、いろ/\をあさつて歩きました。
孝行鶉の話 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
かくて其冬雪中にいたり、山のいたち狐などとぼしく人家にきたりて食をぬすむ事雪中の常なれば、此ものゝ所為しわざにや、かごはやぶれて白烏しろからすはねばかりゑんの下にありしときゝし。
其夜そのよかり立去たちさらず、にかはれた飼鳥かひどりのやう、よくなつき、けて民子たみこしたつて、ぜんかたはらはねやすめるやうになると、はじめに生命いのちがけおそろしくおもひしだけ、可愛かはいさは一入ひとしほなり。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
鶯のがひすがたやおもはれし妻は春さく花はやしける
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
投じ、彼らのしかばね野犬やけん野鳥やてうと爲せし
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
にうち勝たむねがひのみ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「いえ、死ぬ少し前まで、元氣でさへづつて居ましたよ。——お辰がをやると、すぐ死んださうで」
かくて其冬雪中にいたり、山のいたち狐などとぼしく人家にきたりて食をぬすむ事雪中の常なれば、此ものゝ所為しわざにや、かごはやぶれて白烏しろからすはねばかりゑんの下にありしときゝし。
あすこにはふり込んどきや、ねずみになるか、飢ゑ死にするか、どつちみちおれの秘密がもれることはない。おれも、ブレツをお前たちに渡しや、もう仕事もないから、いゝ加減、見切りを
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)