“猿公”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えてこう60.0%
えんこう20.0%
えてきち10.0%
えんこ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
猟師の姿が見えなくなると、猿公えてこうは俳諧師の鳴雪翁のやうな(忘れてゐたが、鳴雪翁もえてきちと同じやうに四国生れである)
そして、なお一言、しかるに何ぞ、猿公えんこう大欲たいよくきゅうなるや。欲望の急なるところ、かならず小人の野望の乗ずるところたらん。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
和尚の声は曳臼ひきうすのやうに上から落ちかゝつた。その下にし潰されたお伽譚とぎばなし猿公えてきちのやうに、伝兵衛は畳に顔をすりつけて眼を白黒させた。
その最後の「ウーン」といったという断末魔に猿を連想する猟師たちは決して「さる」と呼ばず「猿公えんこ」と呼ぶ迷信があるからかも知れない。
案内人風景 (新字新仮名) / 百瀬慎太郎黒部溯郎(著)