“乏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とぼ79.2%
とも8.9%
とぼし6.9%
ぼう2.0%
まず2.0%
とぼしき1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
じめじめした、いやな天気てんきがつづきました。生活力せいかつりょくとぼしい金魚きんぎょは、みんなよわってんでしまったけれど、どじょうは元気げんきでした。
どじょうと金魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
実は無知な余をいつわりおおせた死は、いつの間にか余の血管にもぐり込んで、ともしい血を追い廻しつつ流れていたのだそうである。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
佐藤はその頃頭に毛のとぼしい男であった。無論老朽した禿はげではないのだが、まあ土質どしつの悪い草原のように、一面に青々とは茂らなかったのである。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
世はこぞって書生の暴行を以てとなすものらしい。曾てわたくしも明治大正の交、ぼうけて三田に教鞭きょうべんった事もあったが、早く辞して去ったのは幸であった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
とてもみじめなまずしい母子おやこ二人の荒物屋があって、小娘のおとめさんもお婆さん見たいにうつむいて、始終ふるえているように見えた人だった。
独奈ひとりいかんせん、才おろそかニ識浅く加之しかのみならず、単身孤四字消剣、窮困資材ニとぼしき故に成功すみやかならず、然に略海軍の起歩をなす。是老兄の知所なり。数年間東西に奔走し、屡〻故人に遇て路人の如くす。