井戸端ゐどばた)” の例文
くはかついで遺跡ゐせきさぐりにあるき、貝塚かひづかどろだらけにつてり、その掘出ほりだしたる土器どき破片はへん背負せおひ、うしていへかへつて井戸端ゐどばたあらふ。
井戸端ゐどばたにぼつさりとしげりながら日中につちうあつさにぐつたりとしをれて鳳仙花ほうせんくわの、やつとすがつてはな手拭てぬぐひはしれてぼろつとちた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
西日にしびかわ井戸端ゐどばた目笊めざるに、のこンのさむさよ。かねいまだこほの、きたつじ鍋燒なべやき饂飩うどんかすかいけいしひゞきて、みなみえだつきすごし。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
女房にようぼいわく、御大層ごたいそうな事をお言ひでないうちのお米が井戸端ゐどばたへ持つて出られるかえ其儘そのまゝりのしづまつたのは、辛辣しんらつな後者のかちに帰したのだらう(十八日)
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
少し行くと、柳屋のが射して、お琴の顏位は見得るのですが、あの中には、顏を見られたくない人が居るとやらで、娘は井戸端ゐどばたを離れようともしません。
つみ産婆さんばにもあつた。けれどもなかば以上いじやう御米およね落度おちどちがひなかつた。臍帶纏絡さいたいてんらく變状へんじやうは、御米およね井戸端ゐどばたすべつていた尻餠しりもちいた五ヶげつまへすでみづかかもしたものとれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三言みこととはばれもせずおびよりさきたすきがけの甲斐かひ/\しく、井戸端ゐどばたいづればつきかげながしにのこりて、はだへすやうなかぜさむさにゆめわすれぬ、風呂ふろすゑ風呂ふろにておほきからねど
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おや、山に十の字の焼印やきいんがあるね、これおれとこ沢庵樽たくあんだるぢやアないか。金「なんだか知れませぬが井戸端ゐどばたに水がつてあつたのをこぼしてもつましたが、ナニぢきに明けてお返しまうします。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
さきやつてくろえ」卯平うへいはさういつてしばらつてから蒲團ふとん井戸端ゐどばたつた。卯平うへい幾年目いくねんめかでつめたいみづかほあらつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれはこそ/\勝手口かつてぐちから井戸端ゐどばたはうた。さうしてつめたいみづんで出來できだけはやかほあらつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いつまで饒舌しやべつてやがるのだ、井戸端ゐどばたは米をぐ所で、油を売る所ぢやねえぞと。
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
菖蒲あやめ杜若かきつばた此處こゝばかりではない、前日ぜんじつ——前々日ぜん/\じつ一見いつけんした、平泉ひらいづみにも、松島まつしまにも、村里むらざと小川をがは家々いへ/\の、背戸せど井戸端ゐどばた野中のなかいけみづあるところには、大方おほかたのゆかりの姿すがたのないのはなかつた。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おやおかへりかい、かへつたばかりでつかれてやうが、後生ごしやうねがひだから、井戸端ゐどばたつて水をんでておれな、それからついでにお気の毒だけれど、おとなりで二はいかりたんだから手桶てをけに二はいかへしておれな。
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
井戸端ゐどばたをけにはいもすこしばかりみづひたしてあつて、そのみづにはこほりがガラスいたぐらゐぢてる。おつぎはなべをいつもみがいて砥石といし破片かけこほりたゝいてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ところ丁度ちやうど五月目いつつきめになつて、御米およねまた意外いぐわい失敗しくじりつた。其頃そのころはまだ水道すゐだういてなかつたから、朝晩あさばん下女げぢよ井戸端ゐどばたみづんだり、洗濯せんたくをしなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これはさすがに、井戸端ゐどばたで、のりけるわけにはかない、さりとて用人ようにん若御新造わかごしんぞ、さして深窓しんさうのとふではないから、隨分ずゐぶん臺所だいどころに、庭前ていぜんではあさに、ゆふに、したがひのつまなまめかしいのさへ
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三日目みつかめに、井戸端ゐどばたで、れい身體からだあらつてところへ、ニヤーとた。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、これはさすがに、井戸端ゐどばたのりけるわけにはかない。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)