鼓譟こそう)” の例文
光秀の首は本能寺の焼け跡にさらされた。水色桔梗みずいろききょうの九本旗がここの暁に鼓譟こそうしてからわずか半月の推移であった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
盛庸等海舟かいしゅうに兵を列せるも、皆おおいに驚きおどろく。燕王諸将をさしまねき、鼓譟こそうして先登せんとうす。庸の師ついえ、海舟皆其の得るところとなる。鎮江ちんこうの守将童俊どうしゅんす能わざるを覚りて燕に降る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それらのものと鼓譟こそうする軍馬のひびきで、一瞬、京都の空はぐわうと鳴るような思いがあった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕兵もと勇にして毎戦毎勝す。庸の軍を見るや鼓譟こそうしてせまる。火器でんごとくに発し、毒弩雨の如く注げば、虎狼鴟梟ころうしきょう、皆傷ついて倒る。又平安へいあんの兵の至るに会う。庸ここに於て兵をさしまねいておおいに戦う。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もとより秦明しんめい花栄かえいは、ここの地勢や、城内の抜け道にまで精通している。しかし短兵急には寄らず、連日、銅鑼どら喊声かんせいをあげ、鼓譟こそうして、逃げたりまた寄せたり、巧みに、城兵を疲らせていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鼓譟こそう
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)