鼓噪こそう)” の例文
きのうまでは何の異常もなかった後方にあって、万雷のとどろきがするのもみな、それは梁山泊軍の鼓噪こそうではないか。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明日霊銑むらの少年と湖辺に鼓噪こそうすると須臾しばらくして波湧き激声雷のごとく、二牛あいせるを見るにその一いとくるしんで腹肋皆白し、霊銑後の蜃にてると水血に変じ
風上から攻め来るもの、蜀の張嶷ちょうぎ、馬忠などである。風下から同じく馬岱ばたいの一軍が鼓噪こそうして攻めかかった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金沙灘沖きんさたんおきの水戦は展開され、颷蕩ひょうとうたる白浪はくろうは天をち、鼓噪こそう芦荻ろてきを叫ばしめ、二日二た夜にわたる矢風と剣戟けんげきと、そして雲にこだまする喊声かんせいのうちに、さしもの官船数百隻を
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だからなお、彼が自身にたのんだ妖術戦は、彼を大きなうろたえと焦燥にかりたてた。——そのあくる日の城下戦でのこと。——梁山泊軍三千は、怒濤どとうをなして、はや城壁下に鼓噪こそうしていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)