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黒綾
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くろあや
ふりがな文庫
“
黒綾
(
くろあや
)” の例文
片隅
(
かたすみ
)
に
外套
(
がいとう
)
を脱捨つれば、彼は
黒綾
(
くろあや
)
のモオニングの
新
(
あたらし
)
からぬに、
濃納戸地
(
こいなんどじ
)
に
黒縞
(
くろじま
)
の
穿袴
(
ズボン
)
の
寛
(
ゆたか
)
なるを着けて、
清
(
きよら
)
ならぬ
護謨
(
ゴム
)
のカラ、カフ、
鼠色
(
ねずみいろ
)
の
紋繻子
(
もんじゆす
)
の
頸飾
(
えりかざり
)
したり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
床の上に薔薇にうめられて、銀の足を持って
黒綾
(
くろあや
)
の
棺
(
ひつぎ
)
が置いてありました。しかしてその棺の中には、頭に婚礼のかんむりを着けたわかいむすめがねかしてありました。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
五十余りと見ゆる肥満の紳士は、洋装して、
金頭
(
きんがしら
)
のステッキを持ち、
二十
(
はたち
)
ばかりの淑女は
黒綾
(
くろあや
)
の
洋傘
(
パラソル
)
をかざし、そのあとより五十あまりの
婢
(
おんな
)
らしきが信玄袋をさげて従いたり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
不思議にも無難に
踏留
(
ふみとどま
)
りし車夫は、この
麁忽
(
そこつ
)
に気を奪れて立ちたりしが、面倒なる相手と見たりけん、そのまま
轅
(
かぢ
)
を回して逃れんとするを、俥の上なる
黒綾
(
くろあや
)
の
吾妻
(
あづま
)
コオト着て
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
控へたりし人の出でざるはあらざらんやうに、
往来
(
ゆきき
)
の常より
頻
(
しきり
)
なる午前十一時といふ頃、
屈
(
かが
)
み勝に疲れたる車夫は、泥の
粉衣
(
ころも
)
掛けたる車輪を
可悩
(
なやま
)
しげに
転
(
まろば
)
して、
黒綾
(
くろあや
)
の
吾妻
(
あづま
)
コオト着て
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
綾
漢検準1級
部首:⽷
14画
“黒”で始まる語句
黒
黒子
黒繻子
黒人
黒煙
黒白
黒雲
黒檀
黒髪
黒奴