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麝香
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じやかう
ふりがな文庫
“
麝香
(
じやかう
)” の例文
長い廊下の果に、主人の
花紋
(
くわもん
)
を
印
(
いん
)
した
上衣
(
うはぎ
)
の後影が隠れた。上衣の裾は
軽
(
かろ
)
く廊下の大理石の上を曳いて、跡には
麝香
(
じやかう
)
と
竜涎香
(
りうえんかう
)
との匂を残した。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
「なら、プンプン
麝香
(
じやかう
)
を匂はせた板倉屋が、側へ寄つて自分の刀を拔くのを待つて居る筈はねえ。白旗直八は自分の腰の物で刺されたんだぜ」
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
立つて箪笥の大抽匣、明けて
麝香
(
じやかう
)
の
気
(
か
)
と共に投げ出し取り出すたしなみの、帯はそも/\
此家
(
こゝ
)
へ来し嬉し恥かし恐ろしの其時締めし、ゑゝそれよ。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
この石に
滲
(
し
)
みこんだ
麝香
(
じやかう
)
か何かの匂のやうに
得体
(
えたい
)
の知れない美しさは詩の中にもやはりないことはない。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私にしてもあの女に人を
聖
(
きよ
)
める徳なんぞがあらうとは一度だつて考へなかつたことです。それは神聖な薫りといふよりも、彼女が殘して行つた香晶か何かの
麝香
(
じやかう
)
とりうぜん
香
(
かう
)
の匂だつたでせう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
ああ
皐月
(
さつき
)
、——雲の
麝香
(
じやかう
)
よ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
もろもろの
麝香
(
じやかう
)
のふくろ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
麝香
(
じやかう
)
なでしこ、
鈴蘭
(
すゞらん
)
は
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ほのかなる
麝香
(
じやかう
)
の風のわれにふく紅燈集の中の国より
芥川竜之介歌集
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
閨
(
ねや
)
の
麝香
(
じやかう
)
の息づかひ。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
もたらしし
麝香
(
じやかう
)
の
臍
(
ほぞ
)
は
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“麝香”の意味
《名詞》
麝香鹿の麝香嚢から精製される香料の一つ。黒い褐色の粉末。ムスク
(出典:Wiktionary)
“麝香”の解説
麝香(じゃこう)は雄のジャコウジカの腹部にある香嚢(ジャコウ腺)から得られる分泌物を乾燥した香料、生薬の一種である。ムスク(en: musk)とも呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
麝
漢検1級
部首:⿅
21画
香
常用漢字
小4
部首:⾹
9画
“麝香”で始まる語句
麝香猫
麝香草
麝香鹿
麝香鼠
麝香獣
麝香撫子
麝香連理
麝香入
麝香木
麝香牛