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魔形
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まぎょう
ふりがな文庫
“
魔形
(
まぎょう
)” の例文
喬木の
魔形
(
まぎょう
)
が雲のはやい空に揺れて、唸っている。足場の人影は、あわただしく、活溌になって、木ッ葉や、鉋くずが、地に舞った。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そのとおりだ。さりとて宮の高いご位置にあって、その
魔形
(
まぎょう
)
の
輩
(
やから
)
を自由自在にお使いあるにはどうにもならぬ。この尊氏はどうしたらいいのか」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、言い返して、木戸へ、肩をぶつけて突き破るがはやいか、地を躍って、深い闇へ、
魔形
(
まぎょう
)
に似た
提
(
さ
)
げ
刀
(
がたな
)
の光を、何処ともなく、
晦
(
くら
)
ましてしまった。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、八万八千の
魔形
(
まぎょう
)
が、火となり煙となって、舞いおどる
焔
(
ほのお
)
のそこに、どんな
地獄
(
じごく
)
が現じられたであろうか。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
叫んで、再び起ちかけた時は、もう平四郎の姿は、草露の光る彼方へ、跳る
魔形
(
まぎょう
)
のように、馳け去っていた。
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
そのほか一味の
乾分
(
こぶん
)
と名のつくともがら、あとから後からと姿をあらわして、
魔形
(
まぎょう
)
一列を成すかと思われましたが、十二、三人目に出てきたお人好しの率八を
殿
(
しんがり
)
の
止
(
とど
)
めとして
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奸智に
長
(
た
)
けているとみえて、その自然の気象を、自己の妖術かの如く、巧みに使って、
藁
(
わら
)
人形の武者や、紙の
魔形
(
まぎょう
)
など降らせて、朱雋軍の愚かな恐怖をもてあそんでいたものであろう
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山屋敷いちめんの畑や蔵や役宅や
埋
(
うず
)
め門や、すべての黒いものの影へ、おびただしい落葉をフリ
撒
(
ま
)
いて、同時に、塀ぎわで散らかッた十数人の
魔形
(
まぎょう
)
の行方を知れないものとしてしまいました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五名の
魔形
(
まぎょう
)
の者が
諸声
(
もろごえ
)
あわせて
挑
(
いど
)
みかかっているのだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
魔
常用漢字
中学
部首:⿁
21画
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
“魔”で始まる語句
魔
魔法
魔物
魔法使
魔性
魔女
魔除
魔魅
魔神
魔力