高士こうし)” の例文
ともに、かたわらの高士こうしもそれをすすめるし、ここにいたっては、朱同もついに、その熱意に、冷ややかではいられなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さればです。もしあなたが、今の憂いを払わんと思し召すなら、いちどその高士こうし鄭玄ていげんをお訪ねなされては如何かと?」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この徐州の郊外に、ひとり詩画琴棋しがきんきをたのしんで、余生をすごしている高士こうしがおります。桓帝かんていの御世宮廷の尚書を勤め、倉厨そうちゅうは富み、人品もよく……」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なかなか、そのような、ぬるい人物とは、見受けませなんだ。いわゆる高士こうしの風でもございましょうか」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
にもかかわらず、この清隠せいいんの一高士こうしのまわりには、なんとなく去来する暗雲のようなものが感じられた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて、それはいて、曲が終ると、職人たちは、天上の高士こうしから、もとのかわずに返ったような顔して
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ついては、べつにこの一通は、日ごろ主人玄徳を、子のごとく愛され、また、無二の信頼をおかけ下されている高士こうし鄭玄ていげんより特に託されて参ったご書面にございまする。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、泉石せんせき見事な庭苑ていえんの彼方で、すらと、鶴のような姿の人が立ってこなたを振向いた。髪に紫紐金鳳しじゅうきんぽう兜巾ときんをむすび、すそ長い素絹そけんの衣をちゃくし、どこか高士こうしの風がある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、おりふしおとずれた白髯はくぜん高士こうし意見いけんもここにくわわっているのである。その高野の僧の名は明かしがたいが、高士の名はあかしてもよい。それは、鞍馬くらま隠士いんし僧正谷そうじょうがたに果心居士かしんこじである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ある日、弥作の貧しい家に、飄乎ひょうことして、白髯はくぜんの一高士こうしが杖をとめた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高士こうしはほがらかに笑った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こと高士こうし
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)