髑髏されかうべ)” の例文
髑髏されかうべといふものは恁麽こんなぢやなからうかと思つたり、紅い口が今にも耳の根まで裂けて行きさうに見えたりして、ひ知れぬ悪寒さむさに捉はれる事が間々あつた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
信仰はひとたび燃立つくさむらに現れて、すぐに幕屋の中に収められた。後また髑髏されかうべが丘の上、君が唇に洩れたことはあるが、之を聖体の器と筺とに蔵せよとの神慮であつた。
法王の祈祷 (新字旧仮名) / マルセル・シュウォッブ(著)
さるをそのなつかしき夫の聲の終に應ずることなく、可憐の女子の獨り不言の海に對して口は復た歌ふこと能はず、目は空しく沙上の髑髏されかうべを見、耳は徒らに岸打浪きしうつなみの音を聞きて
でございますから、或時は机の上に髑髏されかうべがのつてゐたり、或時は又、しろがねの椀や蒔繪の高坏たかつきが並んでゐたり、その時描いてゐる畫次第で、隨分思ひもよらない物が出て居りました。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
聴け、夜に叫ぶ髑髏されかうべ急瀬はやせの小石
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
菖蒲しゃうぶり軒のいわし髑髏されかうべ
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
髑髏されかうべをかにクルスを
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
げん髑髏されかうべ附燒つけやき
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
でございますから、或時は机の上に髑髏されかうべがのつてゐたり、或時は又、しろがねの椀や蒔絵の高坏たかつきが並んでゐたり、その時描いてゐる画次第で、随分思ひもよらない物が出て居りました。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
聖母の雲にりて、神の使の童供にかせ給ふも見ゆ。環かざりしたる髑髏されかうべも見ゆ。
聴け、はや叫ぶ髑髏されかうべ急瀬はやせの小石。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
聴け、また叫ぶ髑髏されかうべ急瀬はやせの小石
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)