)” の例文
親王興に入りたまいて、さらば足下そなたのは、と問わせたまうに、旧上達部ふるかんだちべ檳榔毛びろうげの車にりたるが、時に其声を聞くにも似たらん、と申した。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
半分から上は消えるように隠れてしまって、枝をひろげた梢は雲にる妖怪のように、不思議な形をしてただ朦朧もうろうと宙にかんでいるばかりです。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
八葉の車のうちには、平和な装いをした義経がっていた。その折、目撃した人々のうわさとして書かれた物にも
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聖母の雲にりて、神の使の童供にかせ給ふも見ゆ。環かざりしたる髑髏されかうべも見ゆ。
八葉の車は今日、お礼のため、はれの殿上へと、その人をせて行ったのである。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)