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駈抜
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かけぬ
ふりがな文庫
“
駈抜
(
かけぬ
)” の例文
旧字:
駈拔
けれども車夫は足が早いのですから、とても
駈抜
(
かけぬ
)
けられないと思った時は、途中にある横道の河合の蔵の蔭に這入って遣り過します。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
あるときなど夕暮れ近くなって矢も尽きかけた二人が——二人の馬は供の者を
遙
(
はる
)
かに
駈抜
(
かけぬ
)
いていたので——一群の狼に囲まれたことがある。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「見ねえ、一番、尻尾を出させる考えを着けたから、
駈抜
(
かけぬ
)
けて先へ来たんだ。——そら、そら、来たい、あの爺だ——ね。」
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鴨橋
(
かもはし
)
(今の
結城
(
ゆふき
)
郡
新宿
(
しんじゆく
)
村のかま橋)から急に
駈抜
(
かけぬ
)
けて注進したため、危くも将門は勝を得てしまつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
勢ひで
角
(
かど
)
より曲り来にければ、避くべき
遑無
(
いとまな
)
くてその中を
駈抜
(
かけぬ
)
けたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
この時、塚田巡査を先に四五人の
追手
(
おって
)
が裏口へ廻って来た。素足で雪の中を駈けて行くお葉の姿を不思議と見たのであろう、巡査は
角燈
(
かくとう
)
を
翳
(
かざ
)
して呼び止めたが、お葉は聞かぬ
振
(
ふり
)
をして
駈抜
(
かけぬ
)
けて
了
(
しま
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あまり嫌ですから、水戸邸の方から行ったこともありましたが、道のりが倍もあって寂しく、それに時間もかかりますので、仕方なしに
駈抜
(
かけぬ
)
けるのでした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
「時に何かね、今
此家
(
ここ
)
の前を車が二台、旅の人を乗せて
駈抜
(
かけぬ
)
けたっけ、この町を、……」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
駈
漢検準1級
部首:⾺
15画
抜
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
“駈”で始まる語句
駈
駈出
駈落
駈引
駈込
駈上
駈足
駈寄
駈下
駈付