香具山かぐやま)” の例文
香具山かぐやま畝傍うねびしと、耳成みみなしと相争ひき、神代より斯くなるらし、いにしへしかなれこそ、現身うつそみも妻を、争ふらしき」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
舒明じょめい天皇が香具山かぐやまに登り国見された折の御製の末尾に、「うまし国ぞ あきつ島 大和の国は」という御満悦の言葉が拝されるが、その言葉がふと思い出され
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
たとへば、天皇は帰順した弟猾をとうかしの献策を用ゐさせ給ふばかりでなく、股肱の臣たる椎根津彦しひねつひこと一しよに、香具山かぐやまに潜行して、その土を取ると云ふ大役を命じ給うて居られるのである。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
つるぎいけのほうに出て、それから藁塚わらづかのあちこちにうずたかく積まれている苅田のなかを、香具山かぐやま耳成山みみなしやまをたえず目にしながら歩いているうちに、いつか飛鳥川のまえに出てしまいました。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
あま香具山かぐやまのカグも草山の義かも知れぬ。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あおぎ見るあめ香具山かぐやま
ひさかたのあめ香具山かぐやまこのゆふべかすみたなびくはるつらしも 〔巻十・一八一二〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
香具山かぐやま耳梨山みみなしやまひしときちて印南国原いなみくにはら 〔巻一・一四〕 天智天皇
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)