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風琴
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オルガン
ふりがな文庫
“
風琴
(
オルガン
)” の例文
式が始まるにつけて婦人席の中から
風琴
(
オルガン
)
の前の方へ歩いて行ったのは繁子だ。捨吉は多勢腰掛けている人達の間を通して、彼女を見た。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
さながら、
風琴
(
オルガン
)
のカップラーを引き出して音色を変えるように、彼女は相手の胸腔を引きしめ、弛ませつつ、音符を変化させた。
オフェリヤ殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
正直な師匠は
風琴
(
オルガン
)
のやうに鼻を鳴らして感心をした。弟子は希臘語とヘブリウ語と、別々の
抽斗
(
ひきだし
)
に
蔵
(
しま
)
ひ込んでる頭を反らして、ぐいと気取つてみせた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
いましがた、
蓋
(
ふた
)
閉
(
とざ
)
したる
風琴
(
オルガン
)
の
忍
(
しの
)
びのうめき。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
石垣
(
いしがき
)
に近い縁側の突き当たりは、壁によせて末子の小さい
風琴
(
オルガン
)
も置いてあるところで、その上には時々の用事なぞを書きつける黒板も掛けてある。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
臨時に設備された大
装飾灯
(
シャンデリア
)
が天井に輝いているので、いつか見た、微かにゆらぐ灯の中から、読経や
風琴
(
オルガン
)
の音でも響いてきそうな——あの幽玄な雰囲気は
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
いざさらば
風琴
(
オルガン
)
を子らは弾け
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その時、銀貨二つを
風琴
(
オルガン
)
の上に載せた
戻
(
もど
)
りがけに、私は次郎や三郎のほうを見て、半分
串談
(
じょうだん
)
の調子で
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ええ、パイプ
風琴
(
オルガン
)
があった頃の動力線なんです。それから、窓の上に三尺ばかりの鉄管が、電線と並行に突き出ていますでしょう。以前は式日になると、あれにロマノフ旗を結びつけたそうです。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
と、私は言って、茶の間の廊下の外で古い
風琴
(
オルガン
)
を静かに鳴らしている娘のところへも分けに行った。
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彩硝子
(
いろガラス
)
の窓から
射
(
さ
)
し入る静かな日の光は
羅馬
(
ローマ
)
旧教風な聖母マリアの金色の像と、その辺に置いてある古めかしく
物錆
(
ものさ
)
びた
風琴
(
オルガン
)
などを照して見せた。その番人も仏蘭西人だ。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
合唱の声が
止
(
や
)
むと、大きな
風琴
(
オルガン
)
の響のみが天井の高い石の
建築物
(
たてもの
)
の
内部
(
なか
)
に
溢
(
あふ
)
れた。やがて白い法服を着けた年とった僧侶が多勢の信徒を見下すような位置にある高い説教台の上に立った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この生徒等は会堂にある
風琴
(
オルガン
)
の近くに席を占めて、思い思いに短い黙祷をささげていた。やがて聖書翻訳の大事業に
与
(
あずか
)
って力があると言われているその教会の牧師が説教台のところへ進んで来た。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
岸本は高い石の柱の側を選んで、知らない土地の人達と一緒に腰掛けた。古めかしく
物錆
(
ものさ
)
びた堂の内へ響き渡る少年と大人の合唱の肉声は巨大な
風琴
(
オルガン
)
の楽音と一緒に成って
厳粛
(
おごそか
)
に聞えて来ていた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“風琴”の意味
《名詞》
風琴(ふうきん)
オルガン。
(出典:Wiktionary)
風
常用漢字
小2
部首:⾵
9画
琴
常用漢字
中学
部首:⽟
12画
“風琴”で始まる語句
風琴手
風琴家
風琴管