額形がくがた)” の例文
やがて、とろ/\の目許めもとを、横合よこあひから萌黄もえぎいろが、蒼空あをぞらそれよりく、ちらりとさへぎつたのがある。けだ古樹ふるき額形がくがた看板かんばんきざんだ文字もじいろで、みせのぞくと煮山椒にざんせうる、これも土地とち名物めいぶつである。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
印章には、額形がくがた、香炉形、鼎形かなえがた、宝珠形、墨形の五種類ぐらいが今までの遺作に発見されている。けれど仔細に見ると、同じ鼎形なり額形の「二天」とある篆書体てんしょたいの印も、決して一様でないのである。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)