頭数あたまかず)” の例文
頭数あたまかずからいえば、三分の一ほどの減り方なのに、それでいて研究所全体が、ガランとしてしまったような淋しさだった。
宇宙爆撃 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「しかしまあ、二百名にしろ、決死隊員の頭数あたまかずが揃ったは何よりであります。本官の名誉はともかくもたもたれました」
でも、頭数あたまかずが足らない、衣裳もない、というので興行元の発案が、ここに岩井一座の残党の名をぬりつぶして、曲独楽きょくごま廻し嵐粂吉あらしくめきちの新看板、これで行こうという方針です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しこうして独り我が日本国にて外人を雇うは何ぞや。他なし、内国にその人物なきがゆえなり。学者に乏しきがゆえなり。学者の頭数あたまかずはあれども、役に立つべき学者なきがゆえなり。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そりゃ銭金ぜにかねずくではかなわねえけれど頭数あたまかずで来い、憚りながらこの通り、メダカのお日待ひまちのように貧乏人がウヨウヨいるんだ、これがみんなピーピーしているからそれで貧乏人なんだ
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ここへ東風君さえくれば、主人のうち出入でいりする変人はことごとく網羅しつくしたとまで行かずとも、少なくとも吾輩の無聊ぶりょうを慰むるに足るほどの頭数あたまかず御揃おそろいになったと云わねばならぬ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
畜牛の頭数とうすうに合わして人間の頭数あたまかずが多い。人間にしても働く人間よりは遊食が多い。いわば舟が小さくて荷物が容積の分量を越えているのだ。事のあったときのために平生余裕をつくる暇がないのだ。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
それは一体どういうことかと疑いながら、むしろ好奇な目で、ころびばてれんの今井二官は、何も気がつかずに娘のお蝶を連れ、神妙に、その中の頭数あたまかずとなって控えております。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
総立ちになった時、もう若ざむらいの頭数あたまかずは、半分ぐらいしかいなかった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頭数あたまかずは?」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)