ころおい)” の例文
もだえ、憤れるさまがあったが、日の午に近きころおいには、まさにその力尽き、骨えて、また如何いかんともするあたわざる風情して、この流動せる大偉人は、波を伏せしぶきを収めて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にぎわいますのは花の時分、盛夏三伏さんぷくころおい、唯今はもう九月中旬、秋のはじめで、北国ほっこくは早く涼風すずかぜが立ますから、これが逗留とうりゅうの客と云う程の者もなく、二階も下も伽藍堂がらんどう、たまたまのお客は
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)