トップ
>
隠士
>
いんし
ふりがな文庫
“
隠士
(
いんし
)” の例文
旧字:
隱士
衣
(
ころも
)
は禅僧の如く
自
(
みずか
)
ら縫い酒は
隠士
(
いんし
)
を学んで自ら落葉を
焚
(
た
)
いて暖むるには
如
(
し
)
かじというような事を、ふとある事件から感じたまでの事である。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もっとも拙者の主人事は、世に有名な
隠士
(
いんし
)
でござって、名前を明かさばお手前においても必ずご存じとは存じ申すが、拙者はほんのそのお方の走り使いのいわば
使童
(
こもの
)
。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
隠士
(
いんし
)
竹中半兵衛像を一気に描きあげてしまい、なに思ったか、それを早暁、松琴尼の許へとどけると、すぐその足で、ひと月余り客遊していた菩提山のふもとを辞し、例によって
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
建文帝
是
(
かく
)
の如くにして山青く雲白き
処
(
ところ
)
に無事の余生を送り、
僊人
(
せんにん
)
隠士
(
いんし
)
の
踪跡
(
そうせき
)
沓渺
(
ようびょう
)
として知る可からざるが如くに身を終る可く見えしが、天意不測にして、魚は
深淵
(
しんえん
)
に
潜
(
ひそ
)
めども案に上るの日あり
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
悟浄の不安げな面持ちを見て、これを慰めるように
隠士
(
いんし
)
は付加えた。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
腰を下ろした侍は、元
天満与力
(
てんまよりき
)
の常木
鴻山
(
こうざん
)
、在役当時の上役で、同じ時に、同じ
譴責
(
けんせき
)
をうけた人。以来不遇の
隠士
(
いんし
)
同士、互に心をあわせて、密かにある大事をのぞんでいる仲であった。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また、
折
(
おり
)
ふし
訪
(
おとず
)
れた
白髯
(
はくぜん
)
の
高士
(
こうし
)
の
意見
(
いけん
)
もここに
加
(
くわ
)
わっているのである。その高野の僧の名は明かしがたいが、高士の名はあかしてもよい。それは、
鞍馬
(
くらま
)
の
隠士
(
いんし
)
僧正谷
(
そうじょうがたに
)
の
果心居士
(
かしんこじ
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「土地の者です」とのみ答えて——「これから二、三十里ほど谷の奥へ奥へ分け入ると、さらに五峰のふところに
万安渓
(
ばんあんけい
)
というやや広い谷間がある。そこに人呼んで万安隠者という
隠士
(
いんし
)
がおりまする。 ...
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隠
常用漢字
中学
部首:⾩
14画
士
常用漢字
小5
部首:⼠
3画
“隠士”で始まる語句
隠士梟翁
隠士素堂