へだたり)” の例文
青春の美しさと、希望とに輝きながら、肩をならべて歩いた二年前の恋人同士として、其処に何と云ふおそろしいへだたりが出来たことだらう。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
その赤い提燈は十けんばかりたがいへだたりを置いて三つ、東南の村口から入って来て何処どこへか消えてしまうのである。最初それを見付みつけたのが村のはずれに住んでいた百姓じじいであった。
北の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
青春の美しさと、希望とに輝きながら、肩をならべて歩いた二年前の恋人同士として、其処そこに何と云うおそろしいへだたりが出来たことだろう。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
彼女は、愛らしくつつましく従順貞淑な妻には違いない。が、趣味や思想の上では、自分の間に手の届かないように、広い/\へだたりが横わっている。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
信一郎は、趣味や思想の生活では、静子に対してそれほどのへだたりを感ぜずにはゐられなかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)