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闇路
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やみじ
ふりがな文庫
“
闇路
(
やみじ
)” の例文
鯖名といふ温泉にて雨にふられ、旅のうさ今更覚えけるを、廓ありと聞きて、宿屋の庭下駄に知らぬ
闇路
(
やみじ
)
踏んで、
凌霄
(
のうぜんかずら
)
咲く門に這入りける。
旅
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
それが、たださえ暗い胸の
闇路
(
やみじ
)
を夢のようにたどっている人間だとすれば、これはむしろ当然すぎるほど当然なことである。
蒸発皿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
悪戯
(
いたずら
)
が
蒿
(
こう
)
じて、この節では、
唐黍
(
とうもろこし
)
の毛の
尻尾
(
しっぽ
)
を下げたり、あけびを口に
啣
(
くわ
)
えたり、
茄子提灯
(
なすびぢょうちん
)
で
闇路
(
やみじ
)
を
辿
(
たど
)
って、日が暮れるまでうろつきますわの。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『——では、その夏、荒川の堤へ、螢狩りに行って、あの帰るさ、
闇路
(
やみじ
)
を戻りながらの言葉は』
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
少しく光明を得ていた眼が、再び
無明
(
むみょう
)
の
闇路
(
やみじ
)
に帰ったのも、その時からでありました。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
されど我を
煩悩
(
ぼんのう
)
の
闇路
(
やみじ
)
よりすくひいで玉ひし君、心の中には
片時
(
かたとき
)
も忘れ
侍
(
はべ
)
らず。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
庭を越えて、宮の台なる三重の塔をめぐって駅路へ行く路、或いは動き、或いは動かず、しかしながら
闇路
(
やみじ
)
を縫うて、
徐
(
おもむ
)
ろに下りて行くのは、
紛
(
まぎ
)
れもない駅路への一筋路であります。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
煩悩の
闇路
(
やみじ
)
よりすくいいでたまいし君、心の中には片時も忘れ侍らず
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「まッ暗だア、
色情
(
いろ
)
の
闇路
(
やみじ
)
」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
闇
常用漢字
中学
部首:⾨
17画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“闇”で始まる語句
闇
闇夜
闇黒
闇中
闇雲
闇屋
闇穴道
闇々
闇打
闇市