かかずら)” の例文
旧字:
「決して、馬鹿合戦にかかずらうなと、私たちの郎党は、町の外へ、立ち退かせておきました。——兄者人、お帰り下さい」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兄さん達は未だに家柄とか格式とかにかかずらわって、一家一門の中から女洋裁師が出ることを、ひどく不名誉か何ぞのように思うのであろうが、それこそ時代おくれのわらうべき偏見ではないか
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
さきに男のすなる事にもかかずらいしはこと国家の休戚きゅうせきに関し、女子たりとも袖手しゅうしゅ傍観すべきにあらず、もし幸いにして、妾にも女の通性とする優しき情と愛とあらば、これを以て有為の士をすすはげまし
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)