開放あけっぱな)” の例文
それだからこうやって、夜夜中よなか開放あけっぱなしの門も閉めておく、分ったかい。うちへ帰るならさっさと帰らっせえよ、わしにかけかまいはちっともねえ。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
河岸山、彦、甚太は外にあり、開放あけっぱなしの入口の外を往ったり来たりしている。
一本刀土俵入 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
おゝ、ロミオ、足下おぬし戀人おてきが、な、それ、開放あけっぱなしのなにとやらで、そして足下おぬし彼女あれ細長林檎ほそながりんごであつたなら! ロミオ、さらば。野天のてんとこではさぶうてられぬ、下司床げすどこよう。さ、かうか?
……で、投出して駈出かけだしたか、格子戸が開放あけっぱなし、かまちの障子も半分開いて、奥の長火鉢の端が見えた。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)