鋸目のこぎりめ)” の例文
手口は井筒屋と同じこと、雨戸を切り開いた鋸目のこぎりめから、宵のうちから、狸囃子が聞えたことまで、そっくりその通りです。
あぢめて同月どうげつくと、完全くわんぜんなる大土器だいどきおよ大土器だいどき下部かぶれて上部じやうぶのみを廢物利用はいぶつりようしたかとおもふのと、土器製造用どきせいざうよう石具せきぐかとおもふのと、鋸目のこぎりめきざみたる獸牙じうがとをした。大當あたあたりである。
中は天井もなく、蜘蛛くもの巣だらけの太いはりななめに低く這っている。とても立っては歩けない。それに床も、鋸目のこぎりめの立った貫板ぬきいたが打ちつけてあるばかりで、其上そのうえに鼠のふんとほこりがうず高くたまっている。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
手口は井筒屋と同じこと、雨戸を切り開いた鋸目のこぎりめから、宵のうちから、狸囃子が聞えたことまで、そつくりその通りです、家族はお紺の外に用心棒とも手代ともなく使つて居る嘉七といふ三十男と
調べると、あとの五軒は、如何にも狸囃子に合せて、半刻も一刻もかゝつて引き切つたやうに、鋸目が細かくなつて居るが、お紺の家の雨戸だけは、鋸目のこぎりめが荒くて、一氣に引つ切つたことが判つたんだ