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銀鼠
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ぎんねず
ふりがな文庫
“
銀鼠
(
ぎんねず
)” の例文
それ故に灰色は江戸時代から深川鼠、
銀鼠
(
ぎんねず
)
、
藍鼠
(
あいねず
)
、
漆鼠
(
うるしねず
)
、
紅掛鼠
(
べにかけねず
)
など種々のニュアンスにおいて「いき」な色として貴ばれた。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
山を出て平野の一端に来てみますと、見渡すかぎりの武蔵野の原は、尾花の
銀鼠
(
ぎんねず
)
いろの一色にぼかされている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
物がみんな
銀鼠
(
ぎんねず
)
に見えるような、
朧
(
おぼろ
)
の桜月夜、女の悲鳴が聞えなくとも、何となく怪談めかしい道具立です。
銭形平次捕物控:012 殺され半蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
厚くかたまってる黒雲が青空の中を流れていた。馬に乗った百姓たちが
鞭
(
むち
)
を振り上げながら、長い角を生やした
銀鼠
(
ぎんねず
)
色の大きな牛の群れを、荒れ地を横ぎって追いたてていた。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
私は、一番いゝ服(
銀鼠
(
ぎんねず
)
の分で、テムプル先生の御婚禮の時に買つて、あの時以來一度も着なかつた)を手早く着、髮もすぐに
梳
(
と
)
かしつけ、私の唯一つの飾である眞珠の
衿留
(
えりどめ
)
を着けた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
銀鼠
(
ぎんねず
)
の空の色か、巨大な
蜘蛛
(
くも
)
が今
獲
(
え
)
ものをめがけて飛びかかろうとしている様な、奇怪なる樹木達の枝ぶりか、固体の様におし黙って、無限の底に空を映した沼の景色か、それもそうだ。
火星の運河
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
なんという型のものであるか私には判らぬけれども、ひとめ見た印象で言えば、シルレルの外套である。
天鵞絨
(
ビロード
)
と
紐釦
(
ボタン
)
がむやみに多く、色は見事な
銀鼠
(
ぎんねず
)
であって、話にならんほどにだぶだぶしていた。
ダス・ゲマイネ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
よく
湿
(
しめ
)
る萱屋は低し
新芽
(
しんめ
)
ふく
一本
(
いつぽん
)
の
茱萸
(
ぐみ
)
の
銀鼠
(
ぎんねず
)
の雨
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
二人はしばらく無言のまま、浜町河岸に立って、
銀鼠
(
ぎんねず
)
から桃色に明けて行く大川端の春を眺めております。
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一
艘
(
そう
)
の小舟が、ゆったりとした平安な流れのままに、音もなく通っていった。河波はひたひたと柳の枝に口づけをしていた。光は細やかで
茫
(
ぼう
)
として、空気はさわやかに、河は
銀鼠
(
ぎんねず
)
の色をしていた。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
銀鼠
(
ぎんねず
)
にからみゆく古代紫
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
次第に
銀鼠
(
ぎんねず
)
色に暮れ行く空、散りかけた桜は妙に白茶けて、興も春色も
褪
(
さ
)
めると見たのもしばし、間もなく山中に灯が入って、大きな月が
靄
(
もや
)
の中に芝居の
拵
(
こしら
)
え物のように昇りました。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
銀
常用漢字
小3
部首:⾦
14画
鼠
漢検準1級
部首:⿏
13画
“銀鼠”で始まる語句
銀鼠色
銀鼠地