“ぎんねず”の漢字の書き方と例文
語句割合
銀鼠100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
厚くかたまってる黒雲が青空の中を流れていた。馬に乗った百姓たちがむちを振り上げながら、長い角を生やした銀鼠ぎんねず色の大きな牛の群れを、荒れ地を横ぎって追いたてていた。
私は、一番いゝ服(銀鼠ぎんねずの分で、テムプル先生の御婚禮の時に買つて、あの時以來一度も着なかつた)を手早く着、髮もすぐにかしつけ、私の唯一つの飾である眞珠の衿留えりどめを着けた。
銀鼠ぎんねずの空の色か、巨大な蜘蛛くもが今ものをめがけて飛びかかろうとしている様な、奇怪なる樹木達の枝ぶりか、固体の様におし黙って、無限の底に空を映した沼の景色か、それもそうだ。
火星の運河 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)