金錢かね)” の例文
新字:金銭
彼は死にしより以來このかたかくのごとく歩みたり、また歩みてやすらふことなし、凡て世にきものあまりにふとき者かゝる金錢かねを納めてあがなひしろとす。 一二四—一二六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
カルメンやリゴレットやラ・ボエームやボリス・ゴドノフなど、私は金錢かねの許す限り其等を見に行つた。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
老先生が眼鏡を掛て、階下したで牛肉を切つて居る間は、奧の二階は閑寂しんとして居る。そこには先生の書籍ほんが置並べてある。机の上には先生の置き忘れた金錢かねがある。
さういふ伴侶なかまあひだにはわづかに五ゑん金錢かねでもそれはふところはひつたとなればすぐ世間せけんつ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
金錢かねで賣買のできない武器とは此のことだ
太鼓が金錢かねを求めてゐた。
ハイネが何処かで (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)