金入かねいれ)” の例文
新兵衞はふと一策を案じて懐中から金入かねいれを取出し、物をも云わず掴出つかみだしては横目や同心に水向け致しまするが、同心どもは金の欲しいは山々なれども
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お千さんが莞爾にっこりして、塩煎餅を買うのに、昼夜帯をいたのが、安ものらしい、が、萌黄もえぎ金入かねいれ
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして手ぶらになって翌朝は早く起きて帰ろうと思って、金入かねいれけて見ると入れてあった金が亡くなっていた。驚いて旅館の主人に告げたが、主人もどうすることもできなかった。
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
つやのある赤いやうな木でこしらへた、大分大きい箱があつて、其上に銀の小さい箱に、金で菊の紋を附けたのと、緑いろのかは銀金物ぎんかなものを取り附けた金入かねいれらしいものとが、並べて載せてある。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
此処こゝに居る人は一人か二人しか居ないよ、小紋の紋付に紫繻子の帯を締めてとこのお嬢さんのふりをして、大胆な女じゃアないか人の金入かねいれを取りやアがって
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
仲間ちゅうげんは此のに帯の間にはさんで有りました金入かねいれ引奪ひったくり「是をられてはわたくしが」といううち武士さむらいは□□ってしからん振舞をしようとする処へ通り掛った一人いちにん粥河圖書かゆかわずしょ