重喜しげよし)” の例文
「さすがは重喜しげよし、油断なく自分の姿をもう見つけたか? ……」と、弦之丞も先の用意の周密なのに驚いて、矢柄やがらを見ると切銘きりめいにいわく
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこから続いて川下へ数丁、塀囲へいがこいの別廓べっかくをなして、宏壮な棟を望ませている所は、阿波守重喜しげよしが大阪表の別荘——いわゆる安治川のお下屋敷。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蜂須賀家の申しひらきが幾分か立って、あやうく断絶のをまぬがれ、重喜しげよし永蟄居えいちっきょだけで、一大名の瓦解がかいを見ずに落着したのは、まったくその時
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると主が、阿波の藩主蜂須賀重喜しげよしの屋敷だというんです。ところが、『それは奇異だ』と江漢がいぶかった。
小説のタネ (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重喜しげよしに話せば、無論許されないにきまっていることであった。許されないよりは或いは激怒を買うかもしれないと思ったので、秘密に出立しようとなった。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まもなく阿波守重喜しげよし茶亭さていからここへ席を移し、京浪人と称する三卿を初め、食客の竹屋三位卿さんみきょうもついてくる。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重喜しげよしが居城へ帰ってから無人になっている安治川屋敷は、大寺のようにじゃくとしていた。白髪しらがのお留守居とお長屋の小者が、蜘蛛くもの巣ばかり取って歩いている。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いうなッ、あくまで吾らの眼をくらまそうとて、その言い訳にうなずく有村ではない。って組掟をたてにとるならこのほうは領主重喜しげよし公の御名おんなをもってこの荷つづらのじょうをぶち破るがどうじゃ!」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帆じるしをみて、重喜しげよしにも、それが商船あきないぶねであることが分った。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)