避暑ひしょ)” の例文
「いや、どこへも避暑ひしょにいかなかったのだから、やすみのあいだだけじゅうぶんにあそばしてやればいい。」と、いわれたのです。
おさらい帳 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夏になって絵かきさんたちが避暑ひしょにくるまでは、気むずかしくても、きちんきちんとお勘定かんじょうはらってくれるお客を、だいじにしなくてはね
斯栂の尾の寺に、今は昔先輩の某が避暑ひしょして居たので、余は同窓どうそうの友と二三日泊りがけに遊びに来たものだ。其は余が十二の夏であった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
もたらしてせっかく避暑ひしょに来ていながら自働車までやとって変な宣伝をやったり大祭へみ込んで来ていやな事を云って婦人たちを卒倒させたりしなくてもいいようになります。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あるとし近所きんじょ避暑ひしょにきていた大学生たちが、自分の家のえんがわへ腰をかけて、一つぶよりの水蜜桃をむしゃむしゃと、まるで馬が道ばたの草をでもたべるようにたべちらすのを見た時の
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
今年ことし夏休なつやすみに、正雄まさおさんは、かあさんやねえさんにれられて、しま別荘べっそう避暑ひしょにまいりました。
海の少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だから一向反対宣伝もらなければこの軽業かるわざテントの中に入って異教席というこの光栄ある場所に私が数時間窮屈きゅうくつをする必要もない。然しながら実は私は六月からこちらへ避暑ひしょに来てりました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)