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遠吠
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とおぼ
ふりがな文庫
“
遠吠
(
とおぼ
)” の例文
ふたりの
子
(
こ
)
どもは、
道
(
みち
)
の
上
(
うえ
)
でであった、おばあさんに
向
(
む
)
かって、ちょうど、
臆病犬
(
おくびょういぬ
)
が、
遠吠
(
とおぼ
)
えをするときのように、ののしっているのでした。
戦争はぼくをおとなにした
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それが
漸次
(
ぜんじ
)
に地にひれ伏す
呻
(
うめ
)
きのように陰に
籠
(
こも
)
り、太い
遠吠
(
とおぼ
)
えの底おもくうねる波となり、
草叢
(
くさむら
)
を震わせる絶え絶えな哀音に変ったかと思うと
罌粟の中
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
またさらに力あるとも認められぬと思うと、悪口を受けても苦痛でなく、犬の
遠吠
(
とおぼ
)
えぐらいに聞こえる。ちょっとは耳に
障
(
さわ
)
っても、あとに残らない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「ウフフフフフ、君はまだ、負け惜しみを言っているんだね。そんな
遠吠
(
とおぼ
)
えなんぞ、なんの役にも立ちやしないよ」
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは金の声であった。哀号、哀号、と叫び立てる声がやがて、うおーッうおーッというような声に変って行く。それは何かけだものの
遠吠
(
とおぼ
)
えにも似たものであった。
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
▼ もっと見る
はるかに
狼
(
おおかみ
)
が凄味の
遠吠
(
とおぼ
)
えを打ち込むと谷間の山彦がすかさずそれを送り返し,望むかぎりは
狭霧
(
さぎり
)
が
朦朧
(
もうろう
)
と立ち込めてほんの特許に
木下闇
(
こしたやみ
)
から
照射
(
ともし
)
の影を惜しそうに
泄
(
も
)
らし
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
吠
漢検準1級
部首:⼝
7画
“遠”で始まる語句
遠
遠方
遠慮
遠近
遠退
遠江
遠山
遠音
遠眼鏡
遠路