逆手さかで)” の例文
もし彼に怨恨うらみのある前科者ぜんかものどもが、短刀逆手さかでに現われたとしたらどうするだろうと、私は気になって仕方がなかった。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
四隣あたりに人無きを見済まして乙女の背後より追ひ縋り、足音を聞いて振り返る処を、抜く手を見せず袈裟掛けさがけに斬り倒ふし、衣服を剥ぎて胸をあらはし、小束こづか逆手さかでに持ちて鳩骨みぞおちを切り開き
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
よびきたるべしとひそかに示合しめしあはせてわかれけり菊は只金と小袖のほしさに其夜そのようしこくすぐる頃又七が寢間ねまへ忍び入り剃刀かみそり逆手さかでもち又七が夜着よぎの上より刺貫さしとほしけるに又七は居ず夜具やぐばかりなれば南無三と傍邊かたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
銃床逆手さかでもろに
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)