迂曲うね)” の例文
しかし間もなくこの陰鬱いんうつ往来おうらい迂曲うねりながらに少しく爪先上つまさきあがりになって行くかと思うと、片側に赤く塗った妙見寺みょうけんじの塀と
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そうしてくしけずつたやうな細い雨の足が土堤から川水の上を平面にさつとかすつてゐた。みのるは又、船が迂曲うねりを打つてはひた/\と走つてゆく川水の上に眞つ直ぐに眼を落した。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
しかもなくこの陰鬱いんうつ往来わうらい迂曲うねりながらにすこしく爪先上つまさきあがりになつてくかと思ふと、片側かたがはに赤くつた妙見寺めうけんじへい
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
横町は真直まっすぐなようでも不規則に迂曲うねっていて、片側に続いた倉庫の戸口からは何れも裏手の桟橋さんばしからおりる堀割の水のおもてが丁度洞穴ほらあなの中から外を覗いたように
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
道はすこし迂曲うねつた後、現在いま電車の通つてゐる安藤坂のいたゞきに出る。
冬の夜がたり (新字旧仮名) / 永井荷風(著)