軍配ぐんばい)” の例文
ああなんという見事さ、それこそ、本朝ほんちょう諸葛亮しょかつりょう孫呉そんごかといわれた甲州流の軍学家ぐんがくか小幡景憲こばたかげのり軍配ぐんばいぶりとそッくりそのまま。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五角、扇形おうぎがた軍配ぐんばい与勘平よかんぺい印絆纒しるしばんてんさかずき蝙蝠こうもりたことんび烏賊いかやっこ福助ふくすけ瓢箪ひょうたん、切抜き……。
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
諏訪法性すはほつしやうかぶとかぶつた、信玄しんげん猩々しやう/″\の如き頭へ斬り付けようとしてゐる謙信けんしんの眼は、皿のやうに眞んまるく、振り上げた刀は馬よりも長くて、信玄の持つてゐる軍配ぐんばいは細く弱さうで
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
私たちは狐や外道げどう仮面めんをかぶって往来をうろうろしていたものです。そのほかには武器に関する玩具が多く、弓、長刀なぎなた、刀、鉄砲、兜、軍配ぐんばい団扇うちわのたぐいが勢力を占めていました。
我楽多玩具 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おおせまでもなく、に応じ、変にのぞんで、昌仙しょうせん軍配ぐんばいみょうをごらんにいれますゆえ、かならずごしんぱいにはおよびませぬ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ならぬ! 呂宋兵衛るそんべえさまから軍配ぐんばいを預っている、この昌仙がさようなことはゆるさぬ。七つの門は一寸たりともあけることまかりならんぞ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「信長が授けた軍配ぐんばい、そちにはそれを右するも左するもゆるされているではないか。信長の意志だにそちのはらに分っておれば、そちのする指揮は、信長の指揮じゃ。何をまどうぞ」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)