軍兵ぐんぴょう)” の例文
倶利伽羅を仰ぐと早や、名だたる古戦場の面影が眉に迫って、驚破すわ、松風も鯨波ときの声、山の緑も草摺くさずりを揺り揃えたる数万すまん軍兵ぐんぴょう
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かくて、民の平和をながめたうえで、伊那丸をはじめ幕下ばっかの人々、一千の軍兵ぐんぴょう、おもいおもいにたむろをかまえ、はじめて朝の兵糧をとった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二三日立つて、利安が東條紀伊守の邸へ樣子を伺ひに往つて、話をしてゐると、黒田邸へ軍兵ぐんぴょうが寄せると云ふ知らせがあつた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
実は、昼のうちは人目につきやすく、中々その折もございませんで、夜中お騒せしてまことに心苦しいのですが、このところ、後白河院の御所で、兵具ひょうぐを整え、軍兵ぐんぴょう
うしおのように、さくの外までおしよせてくると、待ちかまえていた日本軍——浅野幸長あさのゆきなが太田飛騨守おおたひだのかみ宍戸備前守ししどびぜんのかみ以下、各将かくしょうのひきいる二万の軍兵ぐんぴょうは、城門じょうもんサッとおしひらき、まっしぐらに突撃とつげきした。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
敵も味方も正法を避けて、雪遁せっとんの奇道を互いに用い、互いに攻め合っているのでござる……たとえば眼下の谷の中の、灌木や岩は皆軍兵ぐんぴょう。日昼に諸君かたがたが見られたところの、無数の動物も軍兵でござる。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その上にも、鎌倉からは、長井遠江守、長崎孫四郎、南条高直、雑賀隼人さいかはやとすけらが、ぞくぞく応援のため、軍兵ぐんぴょうをつれて上洛もしている今。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わが夫人つま蔡氏の父蔡大臣の誕生祝いの品を護って、東京とうけいまでつつがなく送り届けてほしいのじゃ。もちろん、軍兵ぐんぴょうは望み次第に付けてやる」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「富士の人穴ひとあなで、二千の軍兵ぐんぴょうをかかえながら、勝頼かつより遺子いし武田伊那丸たけだいなまるに追いまくられて、こんどはわしへとりいる気だな」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それはようおいでなされました。さだめし、昌仙さまのお手紙で、多くの軍兵ぐんぴょう秀吉ひでよしさまからおかしくださることになるのでございましょうね」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)