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跪拝
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きはい
ふりがな文庫
“
跪拝
(
きはい
)” の例文
文字通りに「偶像」を
跪拝
(
きはい
)
する心理についてである。しかしそれも、
庶物崇拝
(
フェティシズム
)
の高い階段としての偶像崇拝全般にわたってではない。
偶像崇拝の心理
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
あなた方の前に
跪拝
(
きはい
)
すること——これは全くの畜生でない限り、各人の義務です! だからぼく跪拝しました……や、もうあなた方の下宿です。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
フランスの民衆はその前に
跪拝
(
きはい
)
した。彼らのうちにおいてその二つは、あるいは矛盾し、あるいは一致しながら、常に
汪洋
(
おうよう
)
たる潮の流れを支持していた。
レ・ミゼラブル:01 序
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
遅かれ早かれ何物かが美しい世界へ踏み込んで来て、迷える魔術師を
跪拝
(
きはい
)
せしめなければならないのである。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
しかし始めの間彼は、彼らが新教のある小派の典礼に属してることだと、思い込んでいた。聴衆は
跪拝
(
きはい
)
していた。
弟子
(
でし
)
らは
敬虔
(
けいけん
)
で、偏狭で、攻撃を好んでいた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
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一度
跪拝
(
きはい
)
せしものを
凌辱
(
りょうじょく
)
しながら、汚行より汚行へ移りゆきしあの上院の前から、遁走しながら偶像を
唾棄
(
だき
)
するあの偶像崇拝の前から、顔をそむけるのが正当であった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
われわれが「価値」に
媚
(
こび
)
を送る間は、われわれは「表現」に
跪拝
(
きはい
)
しなければならぬだろう。
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
一松斎はそういって、
額
(
ぬか
)
ずく雪之丞を見下ろすと、祭壇に向って、柏手を打ち、深く、
跪拝
(
きはい
)
して、いつも神霊の前に供えてある、黒木の箱の
蓋
(
ふた
)
をはねると、中から、一巻の
巻物
(
まきもの
)
を取り出した。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
早速の
頓智
(
とんち
)
で馬に群衆中より帽に十字を帯びた一人を選んで低頭
跪拝
(
きはい
)
せしめ、魔使ならこんな真似をせぬはずと説いて免れたという、その前後馬が芸をして魔物と疑われ火刑を受けた例少なからぬ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
が、ただし次の時代になると、この同じ群衆が前に罰せられた犯罪人を台座に載せて、彼らに
跪拝
(
きはい
)
するのです(多少程度の差こそありますが)。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
ただわれわれの心からな
跪拝
(
きはい
)
に価する——そうしてまたその跪拝に生き生きと答えてくれる——一つの生きた、貴い、力強い、慈愛そのものの姿であった。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それは一種の遠方からの景慕であり、ひそかな沈思であり、知らぬ人に対する
跪拝
(
きはい
)
であった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そしてクリストフは、毎朝ペンを執る前に
跪拝
(
きはい
)
した老ハイドンの知恵を理解した。……戒心し祈れよ。われわれとともにいますよう神を祈れよ。生の神霊と愛深き
敬虔
(
けいけん
)
なる交渉を保てよ。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
なぜなら、それは真実へ導く一つの道程だからね。僕がいまいましくてたまらないのは、やつらがでたらめをいいながら、しかも自分のでたらめを
跪拝
(
きはい
)
していることなんだ。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
狂言を押しつぶし、無窮なるものを
跪拝
(
きはい
)
すること、それが法則である。創造の木の下にひれ伏し
星辰
(
せいしん
)
に満ちたその広大なる枝葉をうち眺めることのみに、止まらないようにしようではないか。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ある者は自然の前に
跪拝
(
きはい
)
し、ある者は自然を恋人のごとく愛慕する。そうして常に自然から教わるという心掛けを失わない。しかし日本画家は自然に対してあたかも雇主のごとき態度を持している。
院展遠望
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
跪拝
(
きはい
)
の心地で、おのが心の朗らかさと
精気
(
エーテル
)
の朗らかさとを比べて見、暗やみの中で目に見得る
星辰
(
せいしん
)
の輝きと目に見えざる神の光輝とに感動し、未知のものより落ちてくる思いに心をうち開いていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
跪
漢検1級
部首:⾜
13画
拝
常用漢字
小6
部首:⼿
8画
“跪”で始まる語句
跪
跪坐
跪座
跪居
跪踞
跪下
跪坐低頭
跪座立礼