だく)” の例文
「とにかく、花房で当分練習してみるといい。花房なら胴が細いから脚も締まるしだくもよくやるし、きっとおまえの気に入ると思うから」
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
老人はそれを見ると、初めて老年としよりの偉さを皆に見せつける事が出来たやうに、咽喉をころころ鳴らしながら、だくを踏むやうなあしつきで前を通つて往つた。
宿を出るときはまだ暗かったが、瑞巌寺ずいがんじのあたりで明けはじめ、高城川を渡るときには日が昇った。かれらはだくで馬を進め、十時には志田郡の平渡へ着いた。
その内にまず独で乗ることも出来るようになったが、或る時葛岡という馬に乗った時に、急にだくを以て駈出した。私は未だ鞍が固まらぬから非常に驚いて今にも落るかと思ったが、やっと免れた。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
十二三頭馬乘り入れて來りけりこのだくを見よと少年騎馬隊
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
牛はりあし、馬はだく
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
そして近づく馬のだく
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
正勝は浪岡にだくを踏ませて、にれの木のある斜面を雑木林の谷のほうへ下りてくるところだった。右手には猟銃を持って、手綱は左手でさばいていた。
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
十二三頭馬乗り入れて来りけりこのだくを見よと少年騎馬隊
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
牛はりあし、馬はだく
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
伝平が家にいるときには、伝平はいつでも、馬を庭へき出して、だくを踏まして見せては高木を欣ばして帰した。
(新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
あなと、くらめば、しりへより、戞戞戞かつかつかつだくふませ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
雨ならば金糸きんしの小みの、日にはだく
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)