貧乏動びんぼうゆるぎ)” の例文
其内そのうちこしはさんだ、煮染にしめたやうな、なへ/\の手拭てぬぐひいて克明こくめいきざんだひたひしはあせいて、親仁おやぢこれしといふ気組きぐみふたゝまへまはつたが、きうつて貧乏動びんぼうゆるぎもしないので
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その内腰にはさんだ、煮染にしめたような、なえなえの手拭てぬぐいを抜いて克明こくめいに刻んだ額のしわの汗をいて、親仁おやじはこれでよしという気組きぐみ、再び前へ廻ったが、もとによって貧乏動びんぼうゆるぎもしないので
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)