諏訪法性すわほっしょう)” の例文
私は九歳ここのつの時に浅草の仲見世で諏訪法性すわほっしょうの兜を買ってもらいましたが、しころの毛は白い麻で作られて、私がそれをかぶると背後うしろに垂れた長い毛は地面に引摺ひきずる位で
我楽多玩具 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
井戸の外でそれを受取った銭形の平次、しばらく「諏訪法性すわほっしょうかぶと」のように、れた金の茶釜を眺めておりましたが、やがて両手で捧げて看貫かんかん(重さ)を引くと
けれども、やがて、上の姉さんが諏訪法性すわほっしょう御兜おんかぶとの如くうやうやしく家宝のモオニングを捧げ持って私たちの控室にはいって来た時には、大隅君の表現もまんざらでなかった。
佳日 (新字新仮名) / 太宰治(著)
椽の下からあらわいでたる八百八狐はっぴゃくやぎつね付添つきそいおれかかとねらうから、此奴こやつたまらぬと迯出にげだうしろから諏訪法性すわほっしょうかぶとだか、あわ八升も入る紙袋かんぶくろだかをスポリとかぶせられ、方角さらに分らねばしきりと眼玉を溌々ぱちぱちしたらば
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)