誅殺ちゅうさつ)” の例文
彼の前をさまたげた馬玩ばがんは立ちどころに殺されたし、彼に従ってきた龐徳ほうとく馬岱ばたいなども、韓遂の部下を手当り次第に誅殺ちゅうさつしていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のちにこの二人の士官は、マリアもその一員だった「ボエヴァーヤ・オルガニザツィア」(戦闘団)の手で誅殺ちゅうさつされた。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
七兵衛らは昂然こうぜんと「殿を悪所遊びに誘い、このたびの大事に至らしめた奸物かんぶつだから、誅殺ちゅうさつしたのである」
信雄が三老臣を誅殺ちゅうさつした事件に端を発した伊勢の戦火は、すでに一日ましに拡大している。もう地方的事件でも限られた地域戦争でもない。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家中の一部には、あの誅殺ちゅうさつも私どもが御屋形さまの意を受けて致したと邪推する者があり、いまでも私どもは御屋形さまに庇護されている、と云う者が少なくないのでございます。
「やあ、裏切者め。わが馬を盗んで、蜀陣へ逃げ込むとは、呆れ返った恥知らず、司馬懿大都督の命に依って誅殺ちゅうさつを下す。わがやいばをうけよ」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重臣たちを誅殺ちゅうさつするなどと云いだしたこともあった
燕(つばくろ) (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「時に君美きみよし、そちならば存じているかとも思われるが、当江戸城の内に於いて、異国人で誅殺ちゅうさつされた者の例があるであろうか」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫策は怒って、直ちに、許貢きょこうの居館へ詰問きつもんの兵をさし向けた。そして許貢をはじめ妻子眷族けんぞくをことごとく誅殺ちゅうさつしてしまった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかにとはいえ、多年、側近に仕えて来た輔佐ほさの老職三名を、一時に誅殺ちゅうさつしてしまうなどは何といっても、無残である。その手段も、酷薄極まる。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一歩でもみだりに入る者はたちどころに誅殺ちゅうさつせよとまで——きびしく保護なされておる
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わずか半日のまに、誅殺ちゅうさつされた一族の数は男女千五百余人に上ったという。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴公を加えて、ざっと三十名、それだけが一束になって死ねば、紋太夫以下の奸党、目ぼしい者は、誅殺ちゅうさつできる。——日、時を期して、江戸表と国元のふた手にわかれて同時にそれを断行するのだ
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)