詰切つめき)” の例文
およそその釈迦堂はラサ府の図面にも記されてある通り、三階造りの大伽藍だいがらんですがほとんど詰切つめきれない位集まる。その時の狭隘せせこましい事というたらたまらんです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
一週間ほど詰切つめきって、葬儀が済んで帰宅したその晩から大熱を出して、四、五日を夢中で過して、ようよう全快しましたものの、その時から耳は全然聞えなくなりました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
嚴重にかためられたり又仁王門のかた御加勢には松平安藝守殿(淺野家あさのけ)の同勢にて詰切つめきる其外町方まちかたに於ては近年大岡越前守の下知にて江戸中のとびの者をいろは四十八くみとなし町方火消まちかたひけし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ペートルスボルグ滞在中は日本使節一行のめに特に官舎を貸渡かしわたして、接待委員とう者が四、五人あってその官舎に詰切つめきりで、いろ/\饗応きょうおうするその饗応の仕方しかたと云うはすこぶる手厚く
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
およそ七日ばかりの間、昼夜詰切つめきりでる事も出来ぬ。
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)