詩経しきょう)” の例文
その漢学者からは捨吉もまだ少年の時分に詩経しきょう素読そどくなぞを受けたことのある人だ。茶の間の柱のところへも行ってりかかって見た。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
歌にていはば万葉調、俳句にていはば曠野あらの調、詩にていはば『詩経しきょう』とか何とかいふ、ごく古き調の上において始めてしか申すべきにやと存候。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
益々力を入れて八歳の時には弘道館述義と、詩経しきょうの一部と、易経えききょうの一部を教えて下すったものであるが、孝経こうきょうは、どうしたものか教えて下さらなかった。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ほかの者は詩経しきょうを読むの書経しょきょうを読むのとうのに、私は孟子もうし素読そどくをすると云う次第である。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かの『詩経しきょう』には「顔如蕣華」とある。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
詩経しきょう』に
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
信州上田うえだの人で児玉こだま政雄まさおという医者がひところ馬籠に来て住んでいたことがある。その人に『詩経しきょう』の句読くとうを受けたのは、半蔵が十一歳の時にあたる。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)