コトバ)” の例文
まことに唯一詞ヒトコトタウの姫すら思ひ設けなんだコトバが、匂ふが如く出た。貴族の家庭の語と、凡下ボンゲの家々の語とは、すつかり變つて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
まことに唯一詞ヒトコトタウの姫すら思ひ設けなんだコトバが、匂ふが如く出た。貴族の家庭の語と、凡下ボンゲの家々の語とは、すつかり変つて居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「左、萩にはしかとゝいふに、鹿をこめて、さてその萩だにもすぎむとぞするといはれたる、心コトバたゞならぬにや」
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
呪言の中に既に、コトバとの区別が出来て来て、其詞の部分が最神秘的に考へられる様になつて行つた。
古人が、コトバ、心に伴はずとか、詞すぐれたれど心おくれたるなりとかいうて居るのは、此出発点における、工夫の足らなかつた結果になつた作物を、評したのである。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
これで、發音にみた所さへなかつたら、都の公家詞クゲコトバなどは、とても及ばないだらう。この短い逗留の中に、謁見エツケンした一山の房主と言ふ房主は、皆この美しいコトバで、大臣を驚した。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
まことに唯一詞ヒトコトタウの姫すら思ひ設けなんだコトバが匂ふが如く出た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)