要害ようがい)” の例文
この摂津せっつ要害ようがい金城鉄壁きんじょうてっぺきをきずかれたのは、たしかに家康いえやすのほうにとってありがたくない目の上のこぶにはちがいない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
午後は又一君の案内で、アイヌの古城址こじょうしなるチャシコツを見る。㓐別川りくんべつがわに臨んだちょっとした要害ようがいの地、川の方は断崖だんがいになり、うしろはザッとしたものながら、塹濠ざんごうをめぐらしてある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
……中将ちゅうじょうきみ(信雄)には、一刻もはやく、長島ながしまの御本城へおかえりあるこそ然るべく存ずる。あとは、家康が、しかと要害ようがいをかためておきますから
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかにも、これさえあれば、人穴城ひとあなじょう要害ようがいは、たなごころをさすごとく、大手おおてからめ手の攻め口、まった殿堂、やぐらにいたるまで、わが家のごとく知れまする。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「今がいままで、一のうちに祈祷いのりの鐘をならしていた伴天連バテレンがみょうなそぶりで、ご城内の要害ようがいをさぐり歩いているという小者の知らせでござります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
要害ようがいの堅城というのでは、三木の地形がすぐれている。しかし、領政交通の利は、断じて姫路がまさっている。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宿直とのいの当番ではありませぬが、今日のように、昼間のうちは御用で疲れ、夜はこの大雪で人の油断しがちな晩こそ、却って要害ようがいせねばなるまいと考えて、実は
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彦十の口から、この国土の主たる斎藤家の内争と、その悪行ぶりを聞いてから、ふたたび、城を仰ぎ見た時、その鉄壁も、嶮崖けんがい要害ようがいも、日吉の眼には、何の権威にも見えなかった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこには十分な要害ようがいもあるし、宿直とのいの備えもあるので、万が一にも、まだ不吉なことはない筈とは思うのであったが、もう胸は早鐘はやがねいている。何としても、大殿と嫡子の安否が気づかわれる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)