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裘
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かはごろも
曰く、
晉の
石崇を
見ずや、
渠は
庶子にして
尚ほ
狐腋雉頭の
裘あり。
況や
我は
太魏の
王家と。
又迎風館を
起す。
火の左右に身を
横へたる二人は、
逞ましげに肥えたる農夫なるが、毛を表にしたる羊の
裘を纏ひ、太き長靴を穿き、聖母の圖を
貼けたる尖帽を戴き、短き
烟管を
銜みて
對ひあへり。
恋衣
裘より重ければ素肌の上に一つのみ著る
中央なる大卓の上に
眞鍮の燈二つ据ゑて、
許多の燈心に火を點じ、逞しげなる
大漢數人の羊の
裘着たるが、圍み坐して
骨牌を
弄べり。火光の照し出せる
面ざしは、
苦みばしりて落ち着きたるさまなり。