血染ちぞめ)” の例文
ゆけ、ゆけ、紅玉ルビー軍港は近いぞ。白鳥の羽のような白い美しい帆を張って、血染ちぞめの旗をひるがえして、六十人の決死隊は、勇みに勇んだのである。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
邸より五百米突メートルの間は血跟けっこんが点々と落ち、なお附近に血染ちぞめの襟巻が捨ててあった。これより見て、不幸なレイモンド嬢は殺害せられたりと信ぜらる。
御扶手おんたすけて此世このよすくたまうてより、今年ことしまで一千二百十二年いつせんにひやくじふにねんになるが、このあたしにはおたすけい。しゆ貫通つきとほした血染ちぞめやりがこのさはらないのである。
あの特殊装置というものの中には、きっと血染ちぞめになった園長の服とか靴とかが隠匿されているのではなかろうか。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは「血染ちぞめの名月」というひどく無理な題目の芝居であった。
鉄面皮 (新字新仮名) / 太宰治(著)
帆村の興味は、そんなことよりも、大島の松の木にひっかかっていたお化け鞄と猫又の死骸と血染ちぞめ細紐ほそひもが、何を語っているか、それを解くことにかかっていた。
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それから、三等食堂の血染ちぞめのテーブル・クロスの事件ね
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
血染ちぞめの手紙
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)